少女たちへのプロパガンダ―『少女倶楽部』とアジア太平洋戦争 (教科書に書かれなかった戦争)

 資料的に貴重な本。
 少女雑誌に登場する美談としても、「自爆攻撃」があったのですね。
 現在の日本のアニメや特撮作品でも、仲間を助けるために自爆するシュチュエーションがわりといいシーンとして描かれたりしますが、そういうタイプの自己犠牲を日本人は好きすぎるのではないでしょうか。無駄な自己犠牲としての玉砕やバンザイアタックに繋がり、損耗のうえの損耗なのですが、日本人には死にたがりなところがあるように思えてなりません。
 戦時下の兵器と武力への礼賛が少女雑誌にあったのは、まあそうでしょうねという気がしました。敵が持つ武器は脅威ですが、味方の持つ武器は守りであり、安心をもたらすものだからです。

 ここから本の話から少し離れます。
 戦争を当時の政府と軍上層部が国民を騙して行ったもの、ということにして切り捨て、罪なき者のようなふりをして戦後70年を過ごしてきた日本国民(私もそのひとり)ですが、最近、当時のA級戦犯を糾弾するのはおかしいと言う人が出てきましたね。その発想でいうと、日本人全体の戦争責任はいまだ問われておらず、極めてややこしいことになるんじゃないかと私は懸念しております。それとも戦争は歴史の必然で、誰にも罪がないと? どういう無責任ですか、それは?? 厭らしい欺瞞がそこにあるように思えます。過去のことを忘れないようにしたいものです。


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